解体工事について
なぜ地元押し?
悪徳事業者の存在
1.解体工事に必要な許可等をもっているか
解体工事に必要な許可等には県の解体工事業許可(物件の金額によりますが)や産業廃棄物収集運搬許可があります。
実際のところ解体工事を依頼・契約する場合において、特に個人のお客様になりますが許可等の確認をされるケースはまず有りません。
仮に無許可で解体工事を行うような事業者の場合、廃材の不法投棄や、近隣住民に対する迷惑行動、工事中の事故・隣接住宅毀損時に補償を受けるために必要な工事賠償責任保険の未加入等のリスクがあり、安心して工事を任せられません。
そのような事業者は、遠方から人をかき集め、事務所もマンションの一室であったりし、ある日突然工事が止まり、解体途中の建物もそのままで音信不通……なんてことも。
当然のことですが、当社は各法令を遵守した許可・資格等を得て解体工事を行っています。そして、万が一の事故に備え工事賠償責任保険に加入しています。地元で長く解体工事業者として在り続けるためには、最低条件と言えます。
2.解体費用は適切か
近頃ネットやチラシ広告等の媒体を使用し、異常に低価格で解体工事を請負うかの様な事業者を見かけますが、全てとは言いませんが悪徳事業者を疑うべきでしょう。
少し話がそれてしまいますが、昔の解体工事は坪当たり1万円以下が当たり前でした。なぜそのようなことが可能であったかと言いますと、解体材の処分方法に秘密がありました。
近年のような産業廃棄物の適正な処理に関する法令が無かったために、ミンチ解体と呼ばれる手法(重機でめちゃくちゃに壊してダンプに積んで解体材は焼却)で解体が行われ、工期も費用も現在の3分の1程度でした。
現在の解体工事は、解体材を産業廃棄物として、細かい種類に分別・処分することが必要で、それに関する人件費や処分費用が多く掛かります。
解体材の処分だけでも坪あたり1万円程の解体物件もある中で、工事費全体で坪1万円とか1万5千円と言うのは難しいと思います。(ボランティア活動であれば別ですが)
悪徳事業者の手口として多いのは、見積り段階で坪当たり1万円位の見積りを提出して契約し、建物を半分壊した頃に「追加料金をもらわないと続きが出来ない、無理なら現場作業を中止するしかない」等と脅し文句を使い別途費用の請求をすると言うもので契約書内に追加工事の別途請求項目があった場合、仮に契約解除を行っても当初見積金額分は支払わなければならず、中途半端に残された解体工事の続きをやってくれる業者を新たに探さなければならなくなります。
当社は地元の建設業者様や大工さんなど、多くの業種から信頼を頂き、今日に至っています。
その信頼に傷をつけるような仕事の取り方を出来るはずもありません。
極端に安い解体工事の見積は、追加工事費等の別途請求の可能性について契約前に確認することをお勧めします。
ネット見積り事業者
1.本当に安く解体できる?
近年ネットワーク環境の進歩により、スマートフォン等を使用した解体工事のホームページをよく見かけます。(一度「解体工事」と検索すると誘導広告がしつこい位に画面に出るようになりますが)
複数社見積りで、全国対応可能が当たり前、ホームページも素晴らしく親切丁寧。
リンクも多くお金の掛かったもので、解体工事についての解説もとても分かり易いサイトとなっています。
このような勧誘サイトは比較的最近になって始まったと認識していますが、解体工事に対して、一般の方々に理解を深めて頂くにはとても良いものであると思います。工事費用の事例等も表記されていますが、比較的安価な事例もあるようです。
前もってお断りしておきますが、このような形態の解体工事勧誘サイトの全てが問題であると言うことではありません。
様々な企業努力により、日本全国に工事を管理する技術者を派遣し、自社施工は無理でも適正な地元下請け業者を使い、安価な工事費用で解体工事を完了させるそんな事業者も存在していると思います。
しかし残念ながら、ネット見積り事業者の大半は、自社施工を行っていないものと考えられます。
理由は簡単で解体工事業は、全国規模で展開できるような儲かる業種ではないからです。
実態としては、全国都道府県単位で地元業者の何社かと業務提携を行い、紹介手数料を収入源としているものと考えられます。(実際当社にもその手の勧誘があります。)
仮にそのような事業形態が現実的にあるとすれば、複数見積りにも疑問が生じます。
提携事業者に自由競争をさせてしまうと、工事の品質低下や安全面で問題が起こる可能性があり、紹介事業者としてのリスクとなるからです。
ある一定の単価設定のルールがあると考えるのが自然で、紹介手数料の分を考えると極端に安い見積りが出てくることはないものと考えられます。また、提携業者が地域に一軒しかない場合は競争原理が働かない可能性もあります。
2.結局は地元業者が解体?
前の項目でも触れていますが、解体工事はそんなに儲かる仕事ではありません。
街の中に建設工事会社や土木工事会社は良く見かけると思いますが、解体工事会社となるとどうでしょうか? あまり見かけませんよね。
実際のところ一定規模で解体工事を専門に行っている事業者は少ないのです。
ただし、当社もそうですが、〇〇建設、〇〇工業の社名も多くあることから、建設会社と思っていたら解体工事業者だったと言うこともあります。
また、解体工事業者については個人事業者も多く、営業力が弱い・経営能力が脆弱な事業者も多いことから社屋や看板すらない「自称解体屋さん」であるために町の中ではあまり見かけないと言うことも理由の一つと言えます。
おそらくですが、そのような事業者がネット事業者と提携し、解体工事を行っているのではないかと推測します。
「結局は地元業者だからよいのでは?」と思われると思いますが、少し違います。仮に「自称解体屋さん」が工事を担当した場合、提携しているネット事業者が契約上で様々なリスクに責任を持つものになっていなければ、施工している「自称解体屋さん」に責任を転嫁してしまう可能性があります。
そのような事態になってしまうと、先に触れた悪徳事業者と同様の結果を招いてしまう恐れが有るということになり、結局はお客様が迷惑を被る形となるのです。
私達のほとんどは、地元に居を構えています。
故にそのような仕事をしてしまえば、噂が広がり地元にいられなくなってしまいます。
当たり前のことですが、事業と言うのは地元の信頼なしには存在できません。
◆なぜ地元押し?のまとめ
解体工事に関する基本的な考えとして、「結局はいらない建物等を壊すだけ、価格が安いほうがいい」とよく言われます。
確かにそういった一面があるのも事実と思いますが、可能性の問題としてある一定数の悪徳解体事業者が存在していることは憂慮しなければなりません。
工事の途中で追加料金を請求されてしまえば、かえって高いものになってしまいます。
当社は「地元事業者としてお客様にご納得して頂いた上で解体工事を行い、適正な料金を頂戴する。」ことを起業当初から続けることで、安心して工事をお任せ頂ける会社であることをお約束しています。
解体工事の費用について
適正な解体工事費とは
1.坪当たり○○万円はあくまで目安
当社においても費用の話をする時に「あそこの現場は坪いくら」などと会話に出てくることは多くあります。
しかし、坪当たりとか平米当たりの費用単価は、あくまでおおよそでしかありません。
一般的な住宅ですと、ネット等を参考に調べると以下のような費用となっています。
※ネットなどを参考にした坪当たりの解体費用・見積りの平均的なもの
どのケースもかなり開きが有りますが、そうなると思います。
解体工事の費用・見積りについては、見積り段階において建物の全てを事前に調査できる訳ではありません。
例えば、外壁と内壁の間の断熱材や内壁の石膏ホードは、一部を壊してみないとどの様な種類を使用しているのか判別できません。
断熱材に関しては、グラスウールと呼ばれるガラス繊維で出来た綿のようなものや、スタイロホームと呼ばれる発泡剤を使った板のようなもの、最近ですと壁の間に発泡剤を注入するものまであります。
それぞれに処分にかかる費用に違いがあり、除去作業の手間も違います。
また、建物基礎も見えるのはごく一部分でしかなく、地下の埋設物(地下室など)は直接確認しなければ判りません。
現在の解体工事は、2000年以降に制定されたリサイクル関連法により、解体材を細かく分別処分しなければならず、多くの人件費を必要とします。
「見えていないもの」をどう見るか?「除去作業の効率はどうか?」等の判断基準は解体事業者毎に基準が違うことから、同じ建物でも見積り額に開きがあっても仕方のないことなのかもしれません。
基本的にですが、見積りに無いものが工事中に見つかったとしても、余程の費用が必要となるケース(先程の発泡剤注入した壁とか、無いと聞いていた地中の杭とかでしょうか)以外は追加の費用は請求しないことが一般的です。
その場合の費用は当然事業者持ちとなりますから、その辺りのリスクをどの様に捉えて見積りに反映させるのかは、事業者の判断となると思いますので難しいところです。
当社におきましても、見積りの前段階で「坪いくら位になると思います。」と言う事は有りますが、実際の見積りを行う際には、可能な限りの現地調査をした上で、様々な可能性をお客様にご説明し、ご納得頂いた場合のみ解体工事を行っています。
2.遠距離の工事費用は誰が負担?
私達が地元にこだわり解体工事を行っている理由の一つとして、地元で仕事をしたほうが「費用的に断然有利」だからです。
遠方で(50㎞以上で道路状況によりますが)解体工事を行う場合のデメリットは
①現場までの通勤時間が多く掛かり、作業時間が削られてしまう。
②日帰りが難しい場合、宿泊費や作業員の日当が必要になる。
③産業廃棄物の運搬は遠方から地元処分業者に運ぶと運搬費が高くなる。
④作業員の帰社時間も遅くなり、モチベーションが下がり作業効率が悪化。
などが挙げられますが、問題はそのマイナス効果の負担を誰がするのかと言うことです。そのほとんどを解体事業者が負担することになります。現実の問題として、当社でも遠距離の仕事をさせて頂く場合が有りますが、多くのケースで平均利益を下回っている状況です。
また一方で、一部をお客様にご負担頂くことをなるのは、解体材の運搬費用となります。工事現場と処分場の位置関係によりますが、お見積りをさせて頂く段階において運搬費の算出が行われ、運搬距離が多くなるほど運搬費は増えるため、見積額に影響します。
当社におきましては、県内各地の処分場と委託契約を交わし、現場から処分場までの運搬距離を減らすこと等で対応し、お客様の負担を減らす努力を行っています。しかし、①や④のデメリットに対する有効策を打つことは容易ではなく、遠距離の工事は利益が薄いと言う事実を覆すことは難しいようです。
当社は令和元年に本社移転を行い、三陸道石巻港ICより5分のアクセスとなりました。これにより、石巻市を中心とした沿岸部・内陸部の現場までの移動時間が、朝夕の混雑時においても1時間以内となりました。また、三陸道の延長により気仙沼までのアクセス時間もかなり短縮されたことから、遠距離工事の対象となっていた地域での仕事も多くなることが期待されます。
遠距離工事における適正な工事価格の概念も、この様な道路事情の変化によって変わって行くものと考えています。
解体専門業者のメリットとは
1.自社保有機械・車両でコストカット
解体工事費用の中で、人件費、廃材処分費同等に費用比率の高いのは機械・車両の損料となります。
ひと口に機械・車両と言いましても、解体工事に使用するこれらは特殊なものも多く解体に使用する重機(バックホウ・ユンボと呼ばれるもの)は「解体機」と言われる特別な仕様となっているために、専門業者以外の解体工事業者は所有していない場合があります。
その場合はリース会社から借りることになりますが、割高になってしまうことから解体費用に反映され、工事費が高くなってしまうことが有ります。
当社は、自社解体機を2台保有し、収集運搬車両は一部を除き自社の車両ですのでその点においてはコストカットが可能であり、費用を抑えられます。
また、アタッチメントと呼ばれる重機の腕の先に装着する機械等も用途により交換が必要で、木造の建物で2種類から3種類、鉄筋コンクリート造の建物ですと最低でも4種類から5種類のアタッチメントが必要となります。
少し余談になりますが、このアタッチメントは購入すると非常に高額で、0.7㎥クラス(大き目の重機)のコンクリート破砕用ですと1000万円を超えるものがざらにありますから、簡単に購入できるものではありません。
使用頻度の問題も有り、無理をして購入することで会社にとっての負担となる場合もあります。
当社は、使用頻度の高いアタッチメントのみを選択し自社保有とし、上記のような高額なアタッチメントは何社かのリース会社の協力をもらい比較的安価に借りることを可能にしています。
専門業者であればリース頻度が多いため、その様なことができ、それは工事の費用の圧縮となる訳です。
2.専門業者への直接発注が注目
近年の解体工事の発注方法で多くなっているのは「解体工事の単独発注」です。
これは、従来のハウスメーカー・工務店を通して解体工事を発注するのではなく、お客様が直接解体事業者に解体工事を発注するという方法です。
昨今のインターネット事情により、様々な情報を簡単に入手できることから、お客様の心理として、直接発注したほうが色々とメリットがあるのでは?と考えられる方が増えてきていることが背景にあるようです。
確かに発注が元請⇒下請⇒孫請と多重発注になっている場合は、様々なコストが発生し、また、工事業者ごとの手数料などが発生することもあり、それが工事料金に反映され場合には割高な解体工事となってしまいます。
ハウスメーカー・工務店を通して解体工事を行った場合、お客様と直接解体工事の細かい打合せを行わない事も多く、ここを残したいとか、ここまで壊して欲しいなどが伝わりにくいため、解体工事が完了した後に後悔されるケースも有るようです。
当たり前のことですが、単独発注であれば解体工事の細かい打合せも直接解体する解体業者が行いますので、細かなご要望にも対応が可能となります。
但し、単独発注の場合は、お客様と解体業者との直接契約となりますので、前段にも有りますような問題のある事業者と契約した場合のリスクが考えられます。
大手ハウスメーカーや地元工務店を利用されれば、その様なリスクは事業者が負ってくれます(基本的にリスクがある事業者は使いませんが)から、安心であるとは思います。
料金や細かな要望があるのであれば「単独発注」、リスクを避け無難な解体工事を望むのであれば従来の発注方法を選択すると言った感じでしょうか。
◆解体工事費用のまとめ
・解体工事は建物の構造や廃材の種類によって料金が決まる
・解体工事は近距離の方がコスト的に有利でメリットがある
・専門業者は特殊な機械類・車輌を保有しているので費用の圧縮可能
・「解体工事の単独発注」でのメリット多し
解体あるある
ここでは解体工事についての疑問をQ&Aでお答えするコーナーです。
(お客様からのお問合せについて随時更新したいと思いますので、ご質問ください。
可能な限り誠意をもって対応させて頂きます。)
Q. 解体工事で働いている人は怖そうな人が多いようですが?
A.残念ながら一般的にその様なイメージを持っている方が多いようです。
実際のところでも、見た目で言えばそう言った感じの作業員も多いと思います。
当社では、従業員を採用する基準の一つとして、「人柄」を重視しています。
一見怖そうでも、中身もイコールと言う訳ではありません。
また、お客様に誤解されるような言動が無いよう社員教育に力を入れています。
Q. 大きな規模の解体の見積ですが本当に無料なのでしょうか?
A.物件の大小にかかわらず見積りは当然無料です。
ただし、特別な事前検査(アスベスト・ダイオキシン等)が必要な場合は、
ご説明をさせて頂いた上で検査料の実費を頂いています。
また、見積り後にしつこい営業活動等を行うことはありませんので、ご安心ください。
Q. 解体予算が余りないので安くなりませんか?
A.物件の規模や当社からの距離にもよりますが、例えば一般住宅で、現在空き家の場合は
工期を当社のおまかせでご依頼頂ければ、工事費を割引するサービスも有りますので、
お気軽にお問い合わせください。
また、例えば倒壊の危険性がある建物の上物のみを解体の対象にすることで、
必要最小限に費用を抑えることも可能な場合等も有りますのでご相談下さい。
Q. 車が入らない場所の建物を解体したいのですが
A.車が現場に入っていけない場所であっても、基本的には解体工事は可能です。
立地条件等の確認は必要となりますが、小さめの重機が入れたり、近隣の空き地をお借りすること等で、
人力での解体を含め検討を行います。
なお、人力作業が多くなるほど解体費用は高いものになりますので、見積りの段階で詳しくご説明を行い、
ご納得頂くことが必要となります。
Q. 長年放置した家で、ゴミも相当ありますが解体できますか?
A.解体工事現場でのゴミの扱いについては、解体材と異なる扱いとなります。
業界では「残置物」と呼び、一般廃棄物になるため当社では運搬できません。
見積の際ご相談頂ければ、一般廃棄物の処分事業者をご紹介させて頂くか、
一般廃棄物の片付けを含んだ見積りをお出しすることが可能です。